結構分厚い本なのに、長さを感じさせない物語運び。
読みやすい文体なのもあるでしょうが、いや、マジで時間を忘れますよ!
私は、運動経験が皆無で、学校の体育の授業さえサボりがち。
汗をながす爽快感など知らず、むしろ少しでも汗ばむと速攻シャワー。
体の為と自分に言い聞かせウォーキングだけはするが、
予定の無い日はできることなら日がな一日暖かい部屋で本を読んでいたい。
そんな私にとって清瀬タイプは、もっともわずらわしい人種・・・。
…のハズ…なのにどんどん引き込まれてゆくのは何故だろう?
「挑戦してみなければ、確かに夢みたいな話のままだ」
このセリフに感じた『苦さ』故??
解説にもあった通り、確かに本書はファンタジーなのかもしれない。
まぁ、私ほど運動神経の無い人はめずらしいとしても
陸上経験も無く、始めは『巻き込まれただけ』的な10人だけで箱根駅伝に出場できるなんて
誰も「やーめた!」と言わずにやり遂げるなんて
現実にはとうてい無理な話だろう。
けれど、作者自身はそこは十分に解っているだろうし
読者だって解っていて、それでも本に向かって声援を送ってしまうのだ(笑)
メンバーが集まり、練習に励み、予選会を通って『箱根』の大会に挑む。
途中、物語を盛り上げようと思えば
「ハイジと双子の衝突」「走ともと同級生の対立」等
ドラマチックに膨らませられそうな場面は多々あるのに、
あえてそうせずに、
時に『書き込みが足りないよ~』と思わせるくらいに一場面に重点を置かずに
彼らの箱根への挑戦を同じリズムで書いているのが
逆にストーリーの吸引力に繋がっている気がする。
活字なのに10人の個性が一人一人ちゃんと描かれているのがスゴイ。
駅伝の場面は、一人ずつの描写が当たり前だけど、ちゃんとそれ以前から。
頭の中で勝手にキャスティングできるくらいに(映画は観ておりませんので、ハイジ役しか知らない)
駅伝本番のシーンは
10人それぞれの抱えているもの、想い、箱根の風景
いろんなものが交差して、10人がもんのすごく愛おしくなりました。
ええ。もう最後はしゃくりあげながら読みましたからね>私
電車の中で読まなくてよかったよ(汗)
そして、読み終わっちゃったのがとても寂しい。
さらに、感じたことはモットモットあるのに、表現しきれない自分の文章力と表現力の無さが悲しい(笑)
+++++
毎年『箱根駅伝』は、欠かさないけどちょこちょこっと観る感じでしたが
来年はチョット観る目が変わりそう?・笑